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特別養護老人ホームの仕事内容をご紹介!1日の流れを解説します!

Q:特別養護老人ホームの仕事内容は?

A:重度の利用者へのケアが中心になるよ。入居型の施設だから夜勤を含めた24時間体制の勤務も特徴だね。

  • 特別養護老人ホームの仕事内容を知りたい
  • 自分でも特別養護老人ホームで働けるの?
  • 特別養護老人ホームは仕事がきついと言われるけど本当?

こんな悩みはありませんか?

特別養護老人ホームは福利厚生の整った、業界内でも給与水準の高い介護施設です。
就職活動の際にも有力な職場の候補として挙げられることも多いでしょう。

しかし世間の評判としては業務がハードであり、大変な職場というイメージがあります。
給与水準や福利厚生を重視しすぎて、自分に合わない職場で働き続けるのは辛いものです。
給与水準の高い職場で働きたいものの、あまりにも大変な職場なら遠慮したいと思うのが人情でしょう。

そこで今回は特別養護老人ホームの仕事内容と1日の流れ、働く際のメリットと注意点を解説します。

特別養護老人ホームは介護職として高い収入を得ていくのであれば、必ず働く候補に挙がってくる職場です。
業務がハードではありますが、特に体力に自信のある人にとってはあまり気にならない場合もあります。
特別養護老人ホームの特徴を正しく理解して、是非とも就職先の候補として検討してみてください。

これから特別養護老人ホームの仕事内容と1日の流れ、働く際のメリットと注意点を解説します。 最後までお付き合いいただければ幸いです。

目次

特別養護老人ホームとは?

特別養護老人ホームは社会福祉法人や地方自治体が運営する公的な介護施設で、特養と略されます。
法人や施設の運営には民間の法人よりも厳しい基準があり、福利厚生や給与水準に優れているのが特徴です。

特養は要介護3以上の利用者のみを受け入れるため、他の介護施設よりも重度の利用者が多い傾向にあります。
そのため仕事自体は他の介護施設とあまり変わりませんが、業務の内容が重労働なものに偏りがちです。

例えば排せつ介助であれば、自力で立ち上がれない利用者が多いため、立ち上がりの介助やおむつ交換といった介助者に負担の大きいケアが多くなります。
また入浴介助であれば洗身、洗髪といった動作が自分では行えない利用者が多く、軽度の利用者が多い介護施設よりも介助量が多くなるのが一般的です。

ですが、特養は業務を効率化するためのノウハウや、リフトや機械浴槽といった介助者の負担を軽減する設備がある場合がほとんどです。

最初は覚えることややることが多くて大変かもしれませんが、業務に慣れてしまえば長く働くことも可能な職場と言えるでしょう。

特別養護老人ホームの種類について

特養には従来型多床室と、ユニット型個室の2種類の形態があります。
施設の形態によって職場の雰囲気が少し変わってくるので注意が必要です。
従来型は効率的にケアを行えるように特化した形態であり、ユニット型は利用者一人ひとりに個別のケアを行えるように特化した形態となります。

行政の方針によりユニット型の特養が増えてきているので、ユニット型の施設は比較的新しい傾向にあります。
なお、ひとつの介護施設に両方の形態が存在している場合もあるので、どちらかの形態での勤務を希望する際は注意が必要です。

それでは従来型多床室の特養と、ユニット型個室の特養の違いをみていきましょう。

従来型多床室の特別養護老人ホーム

従来型多床室の特養は、カーテンなどで区切られたひとつの部屋に4人程度の利用者が生活している形態です。
利用者が一か所に集まっているため、複数の利用者に対して効率よくケアを行うことができます。
特におむつの交換や、ベッドからの寝起きを介助する際には、業務を行いやすい作りになっているのが特徴です。

従来型の特養は他の職員と連携を取りながら業務を進める場面が多くあります。
誰かに相談できる環境が整っているので、経験が浅く単独での業務が不安な人や、ひとりで何かを判断するのが苦手な人には、従来型の特養が向いていると言えるでしょう。

ユニット型個室の特別養護老人ホーム

ユニット型個室の特養は、利用者一人ひとりが個室で生活している形態です。
利用者のプライバシーに配慮した作りであり、個別のケアを行いやすい傾向にあります。
従来型の特養と比べると小規模な生活単位による綿密なケアを想定しており、一人ひとりの利用者の要望やニーズに合わせた業務展開を行うのが特徴です。

ユニット型の特養はひとりの職員で複数の利用者のケアを行う場面が多くあります。
様々な業務をマルチタスクで行う必要がありますが、自分のペースで仕事を進めたい人にはユニット型の特養が向いていると言えるでしょう。

特別養護老人ホームの仕事内容

特養の仕事内容について3つの視点から解説します。

  • 重度の利用者への自立支援
  • シフト制の4交代勤務
  • シフト別の1日の流れ

順番に見ていきましょう。

重度の利用者への自立支援

特養の仕事を一言で言えば、重度の利用者への自立支援となります。
原則要介護3以上の利用者が入居しており、行政が提示している条文に特養の基本方針は自立支援であることが明記されているからです。
介護職による身の回りのサポートを通して、利用者が安心安全な生活を主体的に送れるよう支援します。

具体的な業務の一例は以下のようなものがあります。

  • 食事や水分の提供および摂取の介助
  • 起床、就寝の介助、就寝中の安否確認
  • 日々の健康状態のチェック
  • トイレの介助やおむつの交換
  • 内服薬や外用薬の管理や与薬
  • 余暇活動やレクリエーションの実施
  • 起床時の整容や口腔ケア、入浴の介助など

その他にも突発的な転倒や体調不良の際は現場対応が発生します。
利用者の生活に関わること全てをサポートするのが特養の仕事です。

必然的に利用者の人生に寄り添うことになるので、対人支援の仕事としては大きなやりがいを感じられることでしょう。

シフト制の4交代勤務

特養は夜間を含めた丸一日をカバーする4交代制のシフトが組まれます。
介護度の高い利用者は夜間にも介護を必要としており、24時間体制で施設を運営する必要があるからです。

具体的には早番、日勤、遅番、夜勤の4つがあります。
入職して最初のころは日勤のみを任され、スキルや経験に応じて早番や遅番を任されるようになるパターンが一般的です。
夜勤は介護職としての実力が特に求められる勤務であり、仕事をしっかりとこなせるようになってきた、入職後3ヵ月から6か月程度から任されるようになるでしょう。

特養に正社員として就職すれば4交代のシフトで働くことになります。
ただし非常勤の職員や働く時間帯を契約で決められている職員であれば、特定の時間のみの勤務となります。

シフト別の1日の流れ

特養ではシフト事に1日の流れが大きく変わってきます。
ここでは早番、日勤、遅番、夜勤についてある特養の例をもとにして1日の流れを解説します。

勤務時間や仕事の内容は職場によって変わってきますので、参考までに留めてください。

早番の流れ

早番は朝食前後の時間から午後のおやつ提供後くらいまでの勤務となります。
夜勤者からの引継ぎを受けてフロアの業務をこなし、他のシフトの職員出勤後は入浴介助に回るパターンが一般的です。

具体的なタイムテーブルの一例は以下のようになります。

7:00

早番者出勤。夜勤者からの引継ぎや起きていない利用者への声掛けなど

8:00

朝食の提供、食後は歯磨きやトイレの介助

9:00

日勤者と夜間や早朝の情報共有、おむつ交換、入浴介助

11:00

入浴介助終了、休憩

12:00

昼食の提供、食後は歯磨きやトイレの介助

13:00

おむつ交換や雑務

14:00

入浴介助

16:00

入浴介助終了、記録、退勤

例で挙げたタイムテーブルは入浴介助が早番の担当です。
ただし入浴介助は職員に負担の大きい業務なので、場合によっては午前か午後の入浴を別の職員が担当する場合もあります。

早番は入浴介助やおむつ交換などの重労働の業務がメインとなる場合が多いですが、早く来て早く帰れる点を好む人も多くいます。

日勤の流れ

日勤は利用者の活動が活発になる朝食後から夕食前後の時間までの勤務となります。
夜勤者や早番者から引継ぎを受け、日中を通してフロアの管理や把握を行い、必要に応じて様々な業務を行うパターンが一般的です。

具体的なタイムテーブルの一例は以下のようになります。

9:00

日勤者出勤。夜間や早朝の情報共有、おむつ交換、雑務など

10:00

午前の水分提供、トイレの介助など

11:00

昼食に向けての準備

12:00

休憩

13:00

トイレの介助やおむつ交換など

14:00

レクリエーションや雑務

15:00

おやつと午後の水分の提供

16:00

トイレ介助やおむつ交換、夜勤者との情報共有

17:00

夕食や夜間へ向けての準備など

18:00

夕食の配膳後に退勤

例で挙げたタイムテーブルはフロアの管理や把握が日勤の担当です。
利用者や職員全体の流れを把握しながら、手の足りない所へ応援に行く役割になります。
場合によっては入浴介助を担当したり、何かのイベント担当となったりすることも珍しくありません。

全ての時間で他のシフトの出勤者と勤務が被っているので、仕事に慣れていないうちは日勤のシフトを組まれる場合が多いでしょう。

遅番の流れ

遅番は主に昼食前後から利用者の就寝までの時間の勤務となります。
フロアの様子を把握しながら臨機応変に業務を行い、夜勤者が仕事をしやすいような環境を作るのが主な役割です。

具体的なタイムテーブルの一例は以下のようになります。

10:00

遅番者出勤。午前の水分提供、トイレの介助など

11:00

昼食に向けての準備

12:00

昼食の提供、食後は歯磨きやトイレの介助

13:00

休憩

14:00

レクリエーションや雑務

15:00

おやつと午後の水分の提供

16:00

トイレ介助やおむつ交換、夜勤者との情報共有

17:00

夕食や夜間へ向けての準備など

18:00

昼食の提供、食後は歯磨きやトイレの介助

19:00

就寝に向けた介助、雑務など。退勤

例に挙げたタイムテーブルでは大部分の業務が日勤と被っており、日勤と協力してフロアの管理や把握をしていくことになります。

夕方以降は夜勤者のために環境整備に力を入れると喜ばれることでしょう。

夜勤の流れ

夜勤は主に利用者の就寝から起床までを担当します。
夜勤には8時間夜勤と16時間夜勤があり、勤務時間とともに業務内容も変わるのが特徴です。
8
時間夜勤は22時頃から翌日7時頃まで、16時間夜勤は16時から翌日9時頃までの勤務となります。

他の職員がいる時間は共同して利用者のケアを行い、夜勤者のみとなる夜間帯は利用者の安否確認やおむつ交換やトイレ介助といった排せつ周りのケアを行います。

夜勤は日中に比べると全体的な業務量が少なめですが、明け方におむつ交換や起床の介助が集中しており、介護者への負担が大きい勤務です。
また夜間は職員が少ないため、夜勤者には高いスキルや判断力が求められます。

夜勤業務の詳細に関してはこちらの記事にまとめてありますので、ぜひ参考にしてみてください。

介護の夜勤の仕事内容とは?夜勤専従の注意点もご紹介!

特別養護老人ホームで働くメリット

特養で働くメリットは3つあります。

  • 業界内でも高い給与水準
  • 無資格未経験でも就職できる
  • 高い介護技術が身につく

順番に見ていきましょう。

業界内でも高い給与水準

特養の給与水準は介護業界の中でもかなり高い水準を誇ります。
民間の施設よりも規模が大きく、経営が安定している傾向があるからです。

厚生労働省の平成30年度介護従事者処遇状況等調査によると特養の平均給与は正社員で332,260円。
介護事業所の中ではトップとなります。

体力仕事ではありますが女性比率の大きい職場ですし、人によっては特養が肌に合っているという人もいるほどです。
介護でバリバリ働いて稼ぎたい人には魅力的な職場だと言えるでしょう。

無資格未経験でも就職できる

特養は無資格未経験でも就職できる上、新人指導を積極的に行っている施設も多くあります。
介護業界には未経験の主婦層や異なる業種からの人材流入が多いため、しっかりとした指導による戦力としての成長を期待しているからです。
特養としても人柄の良い人であれば、無資格未経験でも是非ともほしい人材だと言えます。

ある程度新人育成のノウハウを持っている施設であれば、入職後しばらくは先輩職員が一緒に仕事を行い、色々と指導をしてくれます。
新人職員が独り立ちすれば先輩職員の業務も楽になるので、意欲的に業務に取り組んで職場になれるようにすると良いでしょう。

なお新人職員の指導体制は施設により大きく異なります。
不安であれば入職の前にどのような新人指導を行っているか聞いてみると良いかもしれません。

高い介護技術が身につく

特養で働くと高い介護技術が身につきます。
利用者の介護度が高いため、業務をこなしていくには高いスキルが必要となるからです。

最初はできないことも多く、歯がゆい思いをするかもしれませんが、繰り返し仕事をこなしていくと様々な事ができるようになります。

  • 手間取っていたおむつ交換がスムーズになる
  • 認知症の利用者の気持ちがわかるようになる
  • 介護拒否に無理なく対応できるようになる

特養で培ったスキルがあれば、他の介護施設でも十分に通用する実力を身に着けられることでしょう。

特別養護老人ホームで働く際の注意点

特養で働く際の注意点は3つあります。

  • 仕事が肉体的にハード
  • 正社員は夜勤業務がある
  • 利用者の死に立ち会うこともある

順番に見ていきましょう。

仕事が肉体的にハード

特養の仕事は他の介護事業所と比べるとハードだと言われます。
原則要介護3以上の利用者のみを受け入れているため、介護の量が多くなりがちだからです。

忙しい反面、常に身体を動かしていたい人には人気のある仕事です。
特養から他の介護施設に移ったものの、業務が物足りなくて特養に戻ってくる人もいます。

特養は業務が忙しいと割り切ってしまえば、暇な時間の多い働き方よりも居心地が良い場合もあるかもしれません。

正社員は夜勤業務がある

特養の正社員として働くのであれば、夜勤業務が必須となります。
夜勤は基本的に正社員の職員が担当することになるからです。

非常勤の職員は各々の事情により働く時間に制限があり、日中の時間を担当する傾向にあります。
夜勤専門の非常勤職員がいる場合もありますが、基本的に正社員の職員が交代で夜勤を担当するのが一般的です。

どうしても正社員で日中のみの勤務を行いたい場合は、特養の介護職はやめたほうが良いかもしれません。

ただし夜勤を行うと夜勤手当が付くので収入アップが狙えます。
高い収入を得たい場合は積極的に夜勤のシフトを組んでもらうと良いでしょう。

利用者の死に立ち会うこともある

特養で働く上で避けては通れないのが、利用者の死に立ち会う可能性があることです。
特養は利用者の終の棲家であり、特に看取り介護を行っている施設では、介護の先にはどうしても利用者の死が待っています。

あまりにも責任感の強すぎる人や、何でも背負い込んでしまう傾向のある人は、利用者の死に直面すると精神的に落ち込んでしまうかもしれません。

特養で働くからには人の死に立ち会う可能性も頭に入れておくと良いでしょう。

まとめ

いかがだったでしょうか?
特別養護老人ホームの仕事内容と1日の流れ、働く際のメリットと注意点についてご理解いただけたでしょうか?

特別養護老人ホームは業務がハードな反面、給与水準の高い介護施設です。
特養で働いていけば介護職としてのスキルが磨かれることもあり、介護職として働く施設としては優秀な候補となります。
施設の特徴や働き方を理解して、自分に合った職場を選びましょう。

以上参考になったら嬉しいです。
介護の仕事には様々な職場があります。
同じ特養でも少し見学した際に何となく肌に合っていると感じる施設や、何となく違和感を持つ施設もあることでしょう。
一つひとつの施設の雰囲気や特徴をしっかりと見比べれば、自分に合った職場が必ず見つかります。
あなたが本当に自分と相性の良い職場を見つけられたら幸いです。

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