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介護支援専門員とは何か?具体的な取得方法・仕事内容・メリットなどについて

目次

介護支援専門員とはどんな資格?

介護認定を受けた要支援・要介護者が介護保険サービスの利用を受ける時に、本来は要支援・要介護者本人が利用手続きや計画書作成をしますが代わりに介護サービス計画書(ケアプラン)を立案したり、行政機関やサービス事業所、主治医などとの連絡調整を行う資格になります。また要介護認定の代行申請、認定調査など介護の知識のみだけは無く、医療・福祉制度など総合的な知識が必要になります。

介護支援専門員の仕事内容とは?

介護支援専門員の仕事について大きくわけて5つの内容になります。

 ・要介護認定申請の代行申請
要介護認定申請や更新については本人(要介護者)または介護者(家族)が各市区町村の介護保険課等にて手続きを行いますが、申請や更新の手続きが困難な場合などは介護支援専門員が申請を代行する事ができます。
 ・要介護認定調査の業務
要介護認定調査は、住んでいる市区町村へ要介護認定を申請した場合に申請後約1週間~14日以内に訪問による調査を行うことです。調査については市区町村の担当者が行いますが、調査をする担当者が少ない場合や調査を受ける人数が多い場合など、認定調査について介護支援専門員へ委託する事ができます。委託を受けた介護支援専門員が介護サービス利用を希望する方の自宅などへ伺い認定調査の業務を行います。
 ・介護保険サービスに関連する業務
アセスメント調査(課題分析)
要介護認定を受けた後、介護保険サービスを利用希望者宅にて、課題分析標準項目( 基本情報に関する項目 ・ 課題分析(アセスメント)を元に 全部で23項目 にわたって利用希望者の心身の状態や生活の状況、家族の希望などを聞き取り「どの介護サービスが適切であるか」を判断します。ケアプラン作成を行う元となります。
 ・介護サービス計画書(ケアプラン)の作成
アセスメント調査での情報を基にして、サービス希望者が受ける介護保険サービスの方針や内容、解決すべき課題や目標などを適切に設定できるように計画を立案します。この計画を介護サービス計画(ケアプラン)になります。介護サービス計画書の案が出来ましたら、利用希望者・家族に説明し同意を得ます。

ケアプランは3種類あります。
居宅サービス計画:利用希望者や家族が自宅にて介護サービスを受けることを想定したケアプランです。主な在宅介護サービスの訪問介護や通所介護(デイサービス)などを利用します。
施設サービス計画:介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)や介護老人保健施設(老健)などの介護施設を利用することを想定したケアプランです。入居者の条件として介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)は原則、要介護3以上の方が対象となりますのでケアプランの作成も同様に要介護3以上となっています。
介護予防サービス計画:要介護まで至らない生活機能の改善が図れるまた要介護の進行を予防するためのケアプランです。要支援1・要支援2の方が対象です。。

・ サービス事業の紹介、サービス担当者会議の実施
同意を得た介護サービス計画書に位置づけられた介護サービス事業(訪問介護、デイサービスなど)の事業所が多く、利用希望者や家族にて探すのは困難です。介護支援専門員が代わりに事業所の情報について利用希望者へ伝え、サービス事業所の選定サポートをします。
利用希望者が介護サービス事業を決定した後にサービス担当者会議を介護支援専門員が開催実施をします。サービス担当者会議は利用予定者とサービス事業との顔合わせ、サービスの最終確認、サービス事業との利用予定者の契約などを行う会議です。

 居宅サービス

要介護者や要支援者の人の相談を受け、ケアプランを作成するとともに、居宅サービス事業者等との連絡調整や、入所を必要とする場合の介護保険施設への紹介などを行います。居宅サービスでは介護支援専門員1人が居宅サービス計画書作成の出来る人数は35人となっています。

図:厚生労働省より

施設サービス

施設等のサービスを利用している利用者が自立した日常生活を営むこと ができるように支援するため、解決すべき課題の把握等を行った上で、施設サービス計画等を作成します。施設の介護支援専門員は100人までの施設サービス計画書の作成が可能です。
 
 図:厚生労働省より

介護予防・地域包括支援センター

地域包括支援センターには保健師(または市区町村における地域ケアについて経験のある看護師)の医療分野社会福祉士の福祉分野そして※主任介護支援専門員(主任ケアマネジャー)の介護分野のおいて、それぞれの専門的な知識と経験を持つ3つの職種が所属し、連携を取りながら地域住民の介護予防や支援活動を行います。地域包括支援センターの設置数は全国に5,221か所(令和2年度現在)あります。また厚生労働省が提唱しています地域包括ケアシステムの中心的な役割を担います。

 ※主任介護支援専門員とは?

主任介護支援専門員になるには資格試験などはありませんが主任介護支援専門員研修の受講を受けた後に主任介護支援専門員となることができます。主任介護支援専門員の受講の要件については各市区町村により異なりますが以下のような条件のいずれかを満たしている必要があります。
・介護支援専門員として勤務した期間が、通算で5年(60カ月)以上ケアマネジメントリーダー養成研修を修めた人で、さらに介護支援専門員として働いた期間が通算して3年(36か月)以上

介護支援専門員の受験資格とは?

介護支援専門員の受験資格を得るためには、一定の職種にて5年以上、900日以上の実務の実績が必要になります。

受験資格を得られる国家資格とは?

医療系: 医師 ・ 歯科医師・歯科衛生士・ 薬剤師・保健師・ 助産師 ・ 看護師・ 准看護師
リハビリ系: 理学療法士・作業療法士・視能訓練士・義肢装具士・ 言語聴覚士
福祉・介護系: 社会福祉士・介護福祉士法・精神保健福祉士
あん摩・マッサージ系: あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師柔道整復師
栄養系:栄養士・管理栄養士

相談業務の職種とは?(東京都の場合)

・特定施設入居者生活介護:生活相談員

・地域密着型特定施設入居者生活介護:生活相談員
・地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護:生活相談員

・介護老人福祉施設:生活相談員
・介護老人保健施設:支援相談員
・介護予防特定施設入居者生活介護:生活相談員

・障害者指定計画相談支援:相談支援専門員
・障害児相談支援:相談支援専門員

・生活困窮者自立支援:主任相談支援員

介護支援専門員のメリットついて

活躍の場が多い

介護支援専門員の活躍の場は大きく分けて居宅サービス・施設サービスになります。ほとんどの介護サービス事業所にて活躍が可能です。施設サービスでは相談員との兼務も可能です。
また居宅介護支援事業所の管理者は介護支援専門員(今後は主任介護支援専門員)の資格保持者となっています。また介護サービス以外には地域包括支援センターや福祉事務所などの公的機関、介護職員初任者研修、実務者研修の講師・大学の講師などの教育関連機関、民間の介護福祉人材センターの相談員など多岐にわたります。

独立が可能

介護支援専門員が所属する居宅介護支援事業所は社会福祉法人、介護サービス事業所(訪問介護等)にて併設されている所が多いですが、独立した居宅介護支援事業所もあります。独占する場合は自宅でも可能な場合があります。メリットとして通勤時間がない、仕事の配分を決められる、給与などの額が決められるなど働き方の自由度が増します。
また介護支援専門員の増員や他の事業の開業(多いのが訪問介護の併設)も可能です。デメリット面は営業活動が必要、経営者となるため経理や総務の仕事が増えます。今後独立をする条件としては主任介護支援専門員の資格が必要になります。活躍の場や独立が出来ることは他の福祉介護系の資格にはないメリットと思います。

介護支援専門員実務研修受講試験とは?

良く勘違いをされますが、介護支援専門員は国家資格ではありません。各都道府県により管理されています公的資格となります。また介護支援専門員実務者研修を合格しても介護支援専門員にはなれません。この試験は実務者研修を受講するための試験になります。介護支援専門員実務研修受講試験の実施主体は都道府県になりますので、受験の申し込みついてお住まいの各都道府県の介護支援専門員実務者研修受講試験窓口になります。

東京都の場合は今年の受付期間は令和3年61日(火)~630日(水)※当日消印有効・受験手数料12,800円。試験実施日は令和3年10月10日(日)午前10時開始。試験実施日は全国同じです。

筆記試験の内容・範囲

筆記試験の出題は五肢複択方式で解答はマークシート方式です。試験時間は午前1000分から1200分まで(120分)となります。60問出題されますので1問2分で解いていくペースになります。

 試験範囲について 全60
介護支援分野:25問
介護保険制度の基礎知識
・要介護認定等の基礎知識
・居宅・施設サービス計画の基礎知識等
保健医療サービスの知識等:15問
福祉サービスの知識等:15問

合格基準

合格基準は介護支援分野、保健医療福祉サービス分野の区分ごとに正答率70%を基準になります。介護福祉士試験と同様に問題の難易度にて合格基準の点数が補正されます。両分野の合格基準を満たした人が、「合格」となります。

分野 問題数          合格基準
21 22 22 23
再試験
介護支援分野 25 13 15 16 13
保健医療福祉サービス分野 35 22 24 25 22

23回(令和2年度)の合格率は17.7%です。

介護支援専門員実務研修受講試験の合格後の流れ

介護支援専門員実務研修受講試験に合格をした時に合格通知書とともに介護支援専門員実務者研修の受講手続きが同封されます。受験を受けた都道府県により研修のスケジュールの記載がされています。研修の内容については介護サービス計画書(ケアプラン)の作成や要介護認定に関する知識、実習などです。

研修日数は15日間の講習+3日間の実務(87時間以上の研修)についてすべて出席する必要があります。受講費用については都道府県により異なります。おおむね5万前後、テキスト代が別途な場合もあります。さらに詳しい流れについては下記のURLにてご確認ください。

介護支援専門員実務研修受講試験の現状

合格者は  754,778 人 (令和元年度現在)
職種別の合格者 厚生労働省より

 職    種   人  数   構成比率
  医師   15,314   2.1 %
  歯科医師   3,889   0.5 %
  薬剤師   20,463   2.9 %
  保健師   27,918   3.9 %
  助産師   1,971   0.3 %
  看護師、准看護師   170,952   23.9 %
  理学療法士   16,753   2.3 %
  作業療法士   9,950   1.4 %
  視能訓練士   231   0.0 %
  義肢装具士   141   0.0 %
  歯科衛生士   11,738   1.6 %
  言語聴覚士   1,404   0.2 %
  あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師   9,244   1.3 %
  柔道整復師   4,503   0.6 %
  栄養士(管理栄養士を含む)   13,510   1.9 %
  社会福祉士   45,612   6.4 %
  介護福祉士   316,440   44.2 %
  精神保健福祉士   6,021   0.8 %
  相談援助業務等従事者   78,724   11.0 %
    計   754,778

介護支援専門員の合格者の半数は介護福祉士になります。

表の出典:厚生労働省介護支援専門員実務研修受講試験の実施状況等より

 介護支援専門員実務研修受講試験について

介護支援専門員実務者研修受講試験についての詳細な情報については下記のURLにてご確認ください。

介護支援専門員(試験問題作成)
http://www.sssc.or.jp/shien/
 
 

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